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大変お待たせいたしました。社名の由来シリーズ、お話し其ノ3は「ぺんてる」です。 同社の創業は古く、現会長の・堀江幸夫氏の父君・堀江利定氏が筆づくりの職人として 独立したところまでさかのぼります。 昔は丁稚奉公の後、一人前として認められ、数少ない人が独立開業を実現した訳です。 明治44年の堀江文海堂の屋号での開業が同社のスタートといってもいいでしょう。 昭和8年に利定氏が急死した後、22歳の幸夫氏が同社を継承し、戦後、現本社ビル のある東京・日本橋小網町に本拠を構えた同氏は、昭和21年に大日本文具株式会社 を設立しました。 最初は鉛筆やクレヨンを仕入れて売るという問屋業でしたが、そのうちに墨汁の元と なる粉墨、クレヨンの製造を開始。いわばクレヨンで戦後第1号のベンチャー企業と いえるわけです。 なかなか、「ぺんてる」という言葉が出てきませんが、このあたりでそのお話を しましょう。 実は一般にクレヨン、ペン、鉛筆などによるものは「ドローイング」といい、「ペインティン グ」とはいわれません。絵の具、パステルは、当時、発色は美しいが、画面が乾くと、 顔料が粉となって飛んでしまうため、顔料止め液を塗らなければなりませんでした。 パステルの美しい発色を妨げることなく、画面定着力の強い新パステルの開発を 手がけたのが同社です。 もうお判りのように、ペインティングから「ぺん」を、パステルから「てる」を取って それが合体した商品が「ぺんてる」となった訳です。昭和26年のことでした。 昭和38年には、日本が生んだ世界の筆記具として世界中の注目を集めたサインペン を開発。このように時代のニーズに応える独創的な新製品づくりに励んでいるのが 同社の特長でもあります。 因みに、商品名「ぺんてる」を社名に正式採用したのは昭和46年で、現在は 筆記具の総称「ペン=ぺん」とTELL(伝える、表現する)の「テル=てる」を取り、筆記具 分野、電子機器分野にも進出し、時代の変化と会社の成長・進化に対応し、その 社名の意味を拡大発展させています。