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今回は文房具の歴史として、今では誰もが使っているシャーププペ
ンシルについて語ってみたいと思います。
鉛筆のように軸木を削って芯を出す必要もなく、常に細い芯が出て
簡単に使える繰出鉛筆が発明されたのは、1837年アメリカでの事
だと言われています。
シカゴのワール社からエバーシャープペンシル
の商標で売り出された製品は、万年筆メーカーのウォーターマン、シ
ェーファー、パーカーなどからも発売され需要も増大していきました。
日本での登場は明治初頭に舶来土産として持ち帰られたものがあっ
たらしいですが、はっきりしません。
明治40年(1907年)頃ま
では輸入品が発売されていたようで、その頃から国産のシャープペン
シルが開発されています。
国内生産に関しては、早川徳次氏(家電メーカーの現シャープ(株)
の創業者)が有名ですが、同時期にカノエの森田樹太朗氏、プラムの
中田清三郎氏等が開発を進めていました。
この他、20余社の製品が
登場しています。
大正12年頃には国内製が多数を占め、輸出も始ま
っています。
大正12年〜昭和12年頃の10年間は最盛期となって
いましたが、日華事変、第2次世界大戦で生産が中止となり空白期と
なってしまいました。
戦後は、現在に至る有名メーカー、セーラー万年筆、パイロット、
ぺんてる、プラチナ万年筆、トンボ鉛筆、三菱鉛筆をはじめ多くのメ
ーカーが製造に着手し、折れにくく細い0.5ミリの極細芯が出現し
て飛躍的に伸長しました。
現在では木軸鉛筆をはるかに上回る数量が使用されており、ボディ
カラーやキャラクター、操作性など数えきれない種類のシャープペン
シルが店頭に並んでいますね。
参考までに、シャープペンシルの構造の種類を区分けすると、
@単ラセン繰出式(ラセンパイプを伝わって芯が繰出される)
A交錯ラセン繰出式(2色または3色用で、交錯ラセンを伝わって芯
が交互に繰出される)
B押出式(軸に溝条を施し、これに芯をスライドして押出式にしたもの)
C発条押出式(軸頭を押出して発動するスプリングによって芯を押し出
す方式) D先廻し繰出式(テーパー式と称し、ラセン条を伝って芯が繰出され、
テーパー部(先端部)の自転によって芯が繰出される)
E振出式(芯を振出した後、締め付ける装置を施したもの)
Fバネ回転繰出式(多色の芯繰出装置を切り替えて操作する複雑な構造)
などがあります。
初めて国産に成功したとして有名な早川式繰出鉛筆は、現シャープ
(株)の創業者・早川徳次氏が考案した実用新案登録がなされています。
早川氏は、欧米で発売されていた繰出鉛筆に改良を加え、芯を最大限に
使え、終った芯が自然に抜ける構造にしました。
当時は黒鉛と粘土で
形成されていた芯がモロかった為、芯も1〜1.5ミリと太く、あまり
使い勝手は良くなかったようです。
1962年に黒鉛と樹脂を混合して焼成した芯が登場し、0.5ミリと
いう細い芯ができるようになり、現在では0.3ミリといった極細まで
登場しています。
シャープペンシルの機能は芯の格段の進歩で向上し、現在のような普
及につながっています。