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文房具の歴史として前回の「のり」に続いて「消しゴム」について
語ってみたいと思います。
消しゴム(Rubbere Ereaser)のラバーは、鉛筆の字を消す意味
のラバー・アウトを表わすために使用したことで、字消しゴムにつけ
られました。
1770年、イギリスの化学者プリー・ストレー(酸素の発見者と
して有名)が、ゴムが鉛筆の字消しに効果があることを発見して、
India Rubbereと命名して使用されるようになりました。
ゴムは11世紀頃、メキシコのユカタン地方で、土人がボールや食
器などを作って使用していたと言われています。
コロンブスが二回目
の航海で、西インド諸島のハイチに寄港したとき、土人達がゴムボー
ルを投げて遊んでいるのに興味を覚え、コロンブスはゴムに対する見
聞をひろめて、帰国後ヨーロッパで紹介した事がゴムが知れるきっか
けとなりました。
1770年、イギリスで生れた消しゴムは、その後ヨーロッパで普
及していきましたが、当時の製品は高熱で粘着し、冷寒では硬直する
などの欠点がありました。
1839年、グッドイヤーが硫黄を加えて
加熱する加流法を発見したことによりゴム工業は飛躍的に発展しまし
た。
加流法で造られたゴムは、120度の高温でも弾性を保ち、零下
30度でも特質を失わない製品となりました。
これらの製法で、ドイ
ツ、フランス、アメリカで消しゴム企業は発達していきました。
わが国の消しゴムの輸入は、明治初期の輸入奨励案によって、浮き
袋、風船、ゴム枕などと同時に輸入されました。
同時に義務教育実施
を契機に鉛筆と消しゴムは急速に普及していきました。
国産のゴム製造は、明治42年(1909年)頃、東京本所の土谷
ゴム製造梶i後の三田土ゴム)、大阪で吉田元治郎氏が製造を開始し
たといわれています。
当時の消しゴムはすべて色物で角状であったと
いわれています。
製法もきわめて単純で、厚さ6oの鉄板に練ったゴ
ムを挟み、加重して圧縮したものを乾燥釜に入れて加硫し、適当な大
きさに包丁で切断するだけのもので、大量には生産できませんでした。
その後、数多くの製造業者が参入しましたが、配合とゴム質が難しく、
廃業する業者が続出しました。
1914年(大正3年)田口消しゴム製造所(現田口ゴム工業(株)
)が創立され、続いて三木ゴム(現(株)シード)、白髪ゴム(現ヒ
ノデワシ(株))が製造を始めています。
消しゴムの種類としては、一般事務や学生・学童向けの「標準品」
と設計・製図、絵画のデッサンなどの高級消しゴムで、紙面を全く損
傷せず、消字性の優れた「特級品」があり、この他にも「特殊品」と
いわれる製品があります。
@硬軟接合のインキと鉛筆両用の消しゴム。
Aインキ消し用消しゴム。
B硬質タイプライター用消しゴム(通称砂
消しゴム)。
C和紙などの紙をこすらず軽くたたいてインキを吸収す
る軟質タイプライター用消しゴム。
D鉛筆付属用消しゴムなど色々な
種類が揃っています。