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うんちく

『文房具の歴史』その4【印鑑・インキ浸透印】

 文房具の歴史として前回の「消しゴム」に続いて「印鑑・インキ浸透印」 について語ってみたいと思います。

 印鑑の歴史は、紀元前4000年の古代オリエントに始まったとされて います。

その頃は、紙ではなく、粘度板に押印されました。

日本において は、702年頃、官印が授けられるようになり、個人用も758年頃から 現われました。

これらは、その文章が本物である事の証として押されてい ました。

しかし、平安時代中期には、花押が盛んになっていきました。

 現在のような「ハンコ社会」になったのは、明治以降で、最近では、パ ソコン上で電子的に押印できるシステムまで登場しています。

 印鑑やゴム印に欠かせないのが「朱肉」「スタンプ台」です。

「スタンプ台」は、明治20年にゴム印と共にアメリカから輸入されまし た。

当時のスタンプ台は水溶性インキのため、使用する都度に布面にイン キを塗布するという不便なものでした。

大正14年(1925年)に舟橋 高次氏が「万年スタンプ台」を考案、起業(舟橋商会・現シヤチハタ(株) )し、空気中の水分を取り込む事で簡単には乾かないインキを開発したこ とで「スタンプ台」と「ゴム印」が飛躍的な成長をとげました。

 昭和40年(1965年)には「インキ浸透印」がシヤチハタから発売 され、第一号はビジネス用に「領収」「請求書在中」などが発売されまし た。

 自社製品の「スタンプ台」と相反する製品の開発は、将来、事務の機械 化が進み、スタンプ台は無くなるかもしれないという危機感を抱いた同社 のアイデアであったわけです。

 現在では当たり前のようになっているインキ浸透印も発売当初は、販売 店の反発が強くあったようです。

しかし、消費者からの大きな支持で販売 量は飛躍的な伸びをみせ、現在では、文房具専門店、印章店をはじめとし た認印としての大きな認知を得るまでになりました。

 インキ浸透印の開発に当たっては、数多くの開発裏話があります。

 構造としては、インキを含ませたスポンジ(吸収体)を中に組み込み、 押印のたびにインキを印面に送るという原理ですが、その為には、ゴムの 印面に微細な孔をあける必要があります。

ゴムの専門家は「不可能」と言 ったそうですが、シヤチハタでは、様々な試行錯誤を繰り返し、ゴムに微 細な孔をあけることに成功しました。

それは、あらかじめゴムの中に水溶 性の物質を混ぜておき、成型後にその物質を溶かし出すという方法です。

効果的な孔を得るための物質がわからず、デンプンや砂糖などあらゆるも のを試した結果、「塩」に到達しました。

ゴムに孔をあけることができた 後、インキが課題となりました。

吸収体の中では乾かず固まらず、押印さ れた時にはなるべく早く乾くという、相反する課題がありました。

あらゆ るインキを試し、数多くのボールペンインキの中から油性染料系のインキ を完成することができました。

しかし、当初は「紙の上でインキがにじん だ」「すぐ乾かず手についた」といったクレームが発生しましたが、研究 改良を加え、昭和61年(1986年)に顔料系インキを開発、発色性に 優れ、にじみにくいインクとなり、安定した品質が確保されることとなり ました。

うんちくリスト

21 各社の社名の変遷
20 セミB5の「セミ」とは?
19 『世界に愛されるぺんてるが生んだ』“ぺんてるサインペン”“ボールPentel”
18 『社名の由来』その7「ヤマト(株)」
17 『文房具の歴史』その4【印鑑・インキ浸透印】
16 『文房具の歴史』その3【消しゴム】
15 『文房具の歴史』その2【糊「のり」】
14 「文房具の歴史」その1・シャープペンシル
13 「文房具」と「文具」の語源!?
12 鉛筆が六角形なのは何故?
11 CDは光っていない側が大切!
10 墨汁(ぼくじゅう)ってどうやって作る?
9 墨汁(ぼくじゅう)の歴史
8 ボールペンの「ふぅーん、なるほど」
7 ボールペンのインクのお話
6 社名の由来・その6「三菱鉛筆」
5 社名の由来・その5「ダイゴー」
4 社名の由来・その4「クツワ」
3 社名の由来・その3「ぺんてる」
2 社名の由来・その2「ヒサゴ」
1 社名の由来「コクヨ」