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前回の墨汁(ぼくじゅう)の歴史に続いて、今回は墨汁の製造過程を紹介してみたいと思います。
墨汁(ぼくじゅう)の製造
〈製造〉
墨汁(ぼくじゅう)の原材料は、墨の粉とニカワ(膠)で、墨の粉は昔は松煙(しょうえん)、油煙(ゆえん)が主要な原料でしたが、現在はカーボンブラックが使われています。
カーボンブラックは、アメリカからの輸入が多く、石油採掘(さいくつ)の時に噴出する天然ガスの不完全燃焼で製造されています。
日本では、気化(きか)したナフタリンを燃やして製造している方法が多いといわれています。
カーボンブラック等に混ぜるニカワ(膠)は、昔は鯨皮(げいひ・クジラの皮)から造られていましたが、現在では合成樹脂製が多くなっています。
ほかにも塩化石灰(せっかい)、防腐剤、香料が入っています。
墨汁の製造は、ニカワ(膠)をにる(煮る)ことから始まります。
そして膠液(ニカワえき)にカーボンブラックをまぜますが、その際、膠液が固まらないように塩化石灰等をくわえてまぜます。
このまぜる工程が重要で、粗練(あらねり)、中練(なかねり)、仕上と三種のローラーでねりあげ、少しづつ水を加えてかがやくようなツヤを持った練墨(ねりすみ)が出来上がります。
それにお湯をまぜてのばしていき、防腐剤や香料が加えられます。
日本の最高技術で研磨(けんま・こまかくする)され、超微粒子(ちょうびりゅうし)になったカーボンブラックは帯電(たいでん・でんきをためる)するので、液体となっても互いに反発して固まらないわけです。
この運動をブラウン運動といいます。
墨汁を顕微鏡でのぞくと粒子(りゅうし)がまるで生きているように動きまわっています。
(学校の理科の先生に教えてあげてください)こうして日本独自で開発された墨汁(液体墨)ができるのです。
〈墨汁の話し終り〉